年金科目克服法

社労士試験の各科目のなかで、勉強をはじめた頃に苦手だったのが、
国民年金と厚生年金です。
とにかく制度が複雑に感じられて、理解できませんでした。
時間的余裕がなかったので、制度の理解はさておき、深く考えないようにして、
最低限の重要事項を記憶していました。
それでも、そこそこ得点できていました。

2年目に突入した時、「年金科目の克服をしなければ」と、思考錯誤しました。
当時は主要な年金改正として、被用者年金一元化があり、「ますます複雑になる…」
という恐怖心がありました。

そんな時に非常に役に立ったのが、
「真島の年金をやっつけろ!」という1冊の本です。
年金科目が複雑に感じられる理由の一つは、過去の制度からの経過措置を
無視できないことにあります。
この本は、年金制度が現在に至るまでどのように変化してきたのか、そして、
社労士試験では、その中で何が重要なのかを分かりやすく説明しています。
「理屈が分からないと覚えられない」というタイプの方に、おススメの本です。

ただし、この本を読んだだけで、得点できるわけではありません。
過去問をこなし問題に慣れることは、必須です。

もう一つ、年金科目を勉強するなかで意識したのが、国民年金と厚生年金の違いです。
記憶量が増えれば増えるほど、国年と厚年の共通事項と差異事項の整理が
必要になりました。
2科目間の横断整理をすると、効率よく覚えることができます。
記憶を混同しないよう、ポイントを確実に押さえましょう。

年金科目が苦手な人は多いと思います。
事例問題が出題されると、難問のような印象を持ってしまうこともあるでしょう。

全体の解答を順番にしていけば、年金科目は試験の終盤に解くことになり、
焦りや疲れのせいで、必要以上に難しく感じているのかもしれません。
そこで、まずは年金科目から解答する人もいるようです。
本試験でどの科目から解答するかは、模試で試すなどして工夫してみてください。

年金科目は、基本事項をマスターし、過去問を繰り返せば、
得点できる問題が多くあります。
事例問題でも、一見、複雑に見えて、読むとすぐに正誤を判断できるものが
多くあります。
私は4年目くらいから、年金科目はどちらかというと得意科目になりました。

年金制度の歴史を理解し、出題傾向を把握すれば、苦手意識は減少するかもしれません。
まして、国民年金と厚生年金がごちゃごちゃになって間違えるのは、
非常にもったいないことです。

年金科目に苦手意識のある方は、他科目との勉強時間の配分を考えながら、
克服してください。